DESIGNART TOKYO 2025「Discarded, Discovered -捨てられたあとに、始まること-」
DESIGNART TOKYO 2025 はJIDA会員の塩月卓也氏による展示を開催いたします。皆様のご来場お待ち申し上げております。
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捨てられた木片や石の端材、プラスチック
それぞれが単独で、あるいは異なる素材と寄り添いながら、これまでとは異なるかたちへと再構成される無価値とされた断片が、ユーモアをまとい、佇む
「痕が導くかたち」
栗の木を使ったハイバックチェアである。栗材は虫に食べられやすく、それが原因で未利用になっている材がある。それらをスキャンし、虫に食べられているところや節、欠けが生じてしまっているところを手がかりに、ボクセル状に削りとることで、広葉樹の持つ曲線(自然)とデジタル(人工)を掛け合わせた形を生み出した。
「未定形の交差」
石と広葉樹のそれぞれの端材を、整えず揃えず、それぞれのかたちのまま交差させ、棚をつくる。石は自然のままに、木も接合部をわずかに加工するだけ。均一さを求めるのではなく、異なる輪郭同士の重なりから、新たなかたちを生み出す。接着せず即興的に組み上げられる構成。触れあい、支えあいながら、断片たちはかたちを結んでいく。
「破片の集積が抱く光」
捨てられる予定だった石の端材を集め、それぞれに丸い穴を開け、重ね合わせてキャンドルホルダーとした。異なる種類や形の石片を少しずつ回転させながら積むことで、重なりがつくる表情や石ならではの質感を楽しむことができる。
「石の根、透明の茎」
自然の石に穴を穿ち、そこに細いアクリルの筒を挿してつくる花器である。
石の重みが、細く長い花瓶を支えている。
筒の内部には、アクアクララの容器を細かく加工し、粒状にしたものに熱を加えて透明度を高めたもの
を詰めている。それは水滴のように光を透かし、水を満たすことで花をいける器となる。
重さと透明さ、固体と液体、異なる素材の特性が響き合い、根と茎のように結ばれる構成とした。
「Orbit Shelf」
リサイクルしたペットボトルキャップを原料に、水平と鉛直に組まれた2種類の正円の板だけで構成された棚。
鉛直材をあえて見せることで、ものを置かなくても構造そのものがリズムを生み出す。
板の種類を変えることで色見本帳のようにも使え、接着せず噛み合わせのみで構成されるため組み直しが可能。
VERCE
安藤寿孝と塩月卓也による、建築・アート・プロダクトを横断するデザインユニット
捨てられた木片や石の端材、プラスチックなど、見過ごされてきた魅力をもつ素材に、現代の技術で新しい形と意味を与える
人の振る舞いや時間の移ろいをとらえながら、多様なスケールで実験と実践を重ねている
https://vercestudio.com/
【開催概要】
開催日:10月31日(金)~ 11月9日(日) ※入場料無料
時 間:10:00~18:00
場 所:JIDAデザインギャラリー(六本木AXISビル4F)

