【開催趣旨】
常に進化し続けるめっきの技術。
プロダクトの進化とともに素材のバリエーションも多様化している。なかでも汎用的な素材であるプラスチックへのめっきのニーズが広がっている。今回は「めっきで何が解決できるか」をプラスチックめっきの視点から具体的な事例も交えて解説した。参加者にはめっきサンプルを提供し、勉強会の中で 現物に触れながら理解を深める勉強会となった。
【開催日】 2024年3月22日(金)16:00~17:30
【題 目】 めっきで何が解決できるか
【参加人数】 オンライン9名、会場参加5名 計14名
【開催形式】 ハイブリッドセミナー方式
【講 師】 塚田理研工業株式会社 原氏 宮下氏
【プログラム】
1.めっきとは~めっきのメリット
めっきは、外来語ではなく日本語であるため「ひらがな」表記。
起源は古墳時代で、奈良の大仏にも採用。 目的は「防錆」「美観」「機能」。樹脂めっきは、「軽量化」「高級感」「コストdown」が期待できる。
2. めっきプロセス解説(動画含む)
乾式めっきと、湿式めっきの違いに関して
- 「乾式めっき」 真空にした部屋の中で行う。真空蒸着・スパッタリング・イオンプレーティングの3種類の工法がある。
- 「湿式めっき」 薄い金属膜(数μm)をめっき液に浸漬することで、物理的に素材に電気化学的に金属を成膜。無電解めっきと電解めっきがある。
「湿式めっき」は、通常、装飾は銅・ニッケル・クロムの3層膜が一般的です。
3.プラスチックめっきと時代の潮流
1960年代の樹脂めっきと比較すると、用途も使用環境も増加。
特に最近では金属代替の機能用途のニーズが拡大。
4.環境側面での優位性
サスティナブルインダストリー
めっきの作業現場は、過去は作業環境を含めて、3Kと言われた時代があった。現在では、環境にも配慮した非常にクリーンな作業環境を実現。
[過去の作業現場]
[現在の作業現場]
リサイクルにも積極的に取り組み、工場内からの排水・廃液に関して、自社独自のリサイクルセンターを設置。
排水から、金属類はすべて回収し、リサイクル素材として販売。排水リサイクルは、50%は工場内へ再利用できるレベルで、更に再利用を高める取り組み。 Rohs指令に関わる6価クロム代替にもいち早く取り組み。
近々、クロムフリー前処理プロセスも導入予定。
5.採用事例7つと、ケーススタディ
最近のめっき採用事例(めっき+α)と、さらに今後に向けためっきのケーススタディを3事例で紹介。
6. 今後、めっきを使っていただくために
プラスチックめっきにはデザインルールがあり、その内容を抜粋して紹介しました。
塚田理研HP参照:https://www.tukada-riken.co.jp/pop/#pop_4
めっきは幅広く、素材材料、めっき皮膜、皮膜の材質、めっき工法によってもさまざまなため、必要に応じてめっきメーカーの選定が必要である旨を説明。
めっき+1で様々な課題を解決し、世の中へ彩りとテクノロジーを貢献できる企業でありたい。
塚田理研工業株式会社 https://www.tukada-riken.co.jp/