JIDA

CHUBU BLOC 中部ブロック

2018年度卒業制作展訪問

 

公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会
中部ブロック・次世代事業委員会
委員長 吉田修作

◆2018年度【卒業制作展訪問】JIDA中部ブロックデザイン賞のご紹介◆

中部ブロック・次世代事業委員会では、2018年度もデザイン系大学卒業制作訪問(卒展訪問)を開催し、各学校毎に優秀な作品を選定し表彰しました。また、セントラル画材殿のご厚意により特別賞(セントラル画材賞)を設けました。また、株式会社Too殿より受賞者に贈呈する副賞を提供していただきました。
2018年度のJIDA中部ブロックデザイン賞は以下の方々です。

2018年度JIDA中部ブロックデザイン賞


 

■名古屋工業大学

 2019年3月3日(日) 会場:名古屋工業大学4号館1階
最優秀賞:中川和紀「THREE BLOCKS」
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評価コメント:
バウハウス3代目校長ミースファンデルローエ氏の名言「Less is More」(より少ないことは、より豊かなこと)を見事に実践した作品です。シンプルなフォームの裏側に、相当な思慮と努力が隠れていました。沢山のプロトタイプで多重な検証実験を経て最適な形状を見つけ、握りスタイルを確立してから、材質の触感や最適寸法、遊び方などを充分検討してまとめたデザインであります。商品名、ロゴからパッケージまで、商品化に近い提案だと思います。(文責:黄ロビン)


優秀賞:橋本拓実「視覚刺激をとり入れたアロマディフューザ」
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評価コメント:
視覚的な演出によって、芳香療法(アロマテラピー)との相乗効果を期待できる説から展開する提案です。イメージを具体的に実現するために、メカニズムの設計からプロトタイピングして想像するディフューザの在り方を開発しました。そして、円周運動によって薬液の美しい落ち方を研究し、円盤状容器パーティションのパターンを数案に纏めてデザインしました。(文責:黄ロビン)

特別賞:鈴木祐人「休息を少し上質にしてくれるお茶ブランド」
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評価コメント:
所属研究室過去の成果に踏まえて、更なる完成度の高いデザイン提案になります。ファストフードなど20世紀の思想から脱却した、本世紀初イタリアが提唱するスローライフデザインの実践だと思えます。お茶エステの低温抽出法で出来た製品のコンセプトに基づき、ネーミングから商標、包装、紙袋など一貫性が高い作品です。ピュアなグラフィク計画と簡潔な商品、合わせてインパクトが倍増するブランディングです。(文責:黄ロビン)

アイザワ賞:渡辺悠介「鉄素材の特徴を活かした椅子」
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評価コメント:
スチールで作られた家具や椅子等は冷たいイメージがありますが,この提案には温かみを感じることができました。 座面と脚が離れた斬新な形状で、金属の持っている特性であるバネ性を利用し 人が起立するときの力をアシストとするというデザイン性と機能性を併せ持った作品、 今後ますます可能性を感じられる提案だと感じました。 (文責:相澤和志/株式会社アイザワ)


 

■愛知県立芸術大学
 2019年3月2日(土) 会場:愛知県立芸術大学
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最優秀賞:赤木萌根「おとぎライト」
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評価コメント:
赤・緑・青の3つLEDライトを使った影絵遊びの提案は「影って黒だけじゃないんだ!」と思わず口にしてしまうほど、驚きとワクワク感を与えてくれた。ライトを手に持って影の動きを楽しむ作品と、ドールハウスの窓に映す2つの作品は「静と動」の異なる楽しみを広げるとともに、センスの良いグラフィック、子供が楽しむためのスケール感など完成度の高いところが評価された。シンプルなアイデアはまだまだ広がりを感じさせる提案である。(文責・後藤規文)

優秀賞:杉田真由「OAGARI」
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評価コメント:
使い込まれた家具には家族の面影や愛着があり、使えなくなっても捨てられない・・・そんな家具を個別にアップサイクルするビジネスモデルの提案。家族の絆を掘り下げたリサーチの結果、たどり着いた提案でそのプロセスが評価された。リサーチで訪問した家庭を撮影したビデオは、家具が家族とともに過ごしてきた断面が上手く切り取られてあり、この提案に説得力を加えている。(文責・後藤規文)


 

■大同大学

 2019年2月24日(日) 会場:ナディアパーク・2Fイベントスペース
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最優秀賞:佐々木佑太朗「陰影を楽しむ照明の提案」
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評価コメント:
凹凸形状が成形された強化和紙(ワーロン紙)をメイン素材にしたシンプルな照明。柔らかな凹凸が心地の良い陰影を作り出し、構造もシンプルで照明器具としての完成度が高い作品である。成形方法を自身で研究しながらベストな形状を作り出したプロセスと探究心は特に評価できる。素材と真摯に向き合い、最新の技術などをうまく利用しながら作品に練り上げていくプロセスは今や大同大学の真骨頂と言える。(文責・後藤規文)

優秀賞:山元和哉「親子で分け合う座のかたち」
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評価コメント:
コミュニケーションにおいて目線の高低差はその関係性に大きく影響する。親子関係においても当てはまることで、そこに着目したリビング用家具は可変できる要素を加えたことで親子に楽しい話題を提供できるだろう。曲げ合板を用いたシンプルな形状の家具は完成度も高く、素材の選び方もセンスを感じる。曲げ合板は型の作成から板材の成形まですべて自身で行ったとか。好感が持てる作品である。(文責・後藤規文)

特別賞:渡邊邦祐・磯辺輝「EVバイクのプロダクトデザイン」
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評価コメント:
オートバイをEV化することで生まれる新しいかたちを模索した研究。ライダーのポジショニングと空力、エレメントのレイアウトを模索した造形とスケールモデルの完成度が評価された。EV化によりメカニカルな部分に自由度ができるという仮説で検討されているが、空力を重視したことで基本構造はオートバイの範疇から脱することができていない点に検討の余地を感じる研究である。(文責・後藤規文)


 

■名古屋デザイナー学院

 2019年2月24日(日) 会場:名古屋デザイナー学院
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最優秀賞:三谷 豊「どうぶつさん模様」
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評価コメント:
地域の特徴を形にした動物園のお土産を日本伝統の組子模様とともに小窓の中にいる動物たちのつくり出す別世界を楽しくデザインされていました。 レーザー加工技術を用いての三層構造のピースで近景、中景、遠景の独自のデザイン表現とスタンド使用からキーホルダー使用へのスライド機構など考えられており、パッケージングデザインを含めて高い商品完成度を感じました。 外国観光客の激増の中、新たなグローバルデザイン提案として評価したい。(文責:井関 徹)

努力賞:今井花音「BEANS CRUET」
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評価コメント:
ビーンズ型のモダンなインテリア調味入れをデザインからモデリングし型割りなど研究を重ね、実際に焼き上げまで一人で行い製品を完成した正に努力賞ものです。プレゼンの際、振り方によって調味料の出方の違いをパフォーマンスしてもらい料理をしながら新たな発見と今後のリデザインへの意欲が印象的でした。(文責:井関 徹)


 

■名古屋造形大学

 2019年2月23日(土) 会場:愛知県美術館ギャラリー8F
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最優秀賞:西尾和真「見る・ミル」
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評価コメント:
コーヒーは世界的に大きなトレンドとなっており、今後も続く傾向の中において、コーヒーに拘るターゲットユーザーの心理と市場性よく捉えた商品企画が第一の高評価ポイントです。 ダイソンの掃除機や機械式時計のように、中身の遊星歯車の機構の動きそのものを見せることがデザインという発想はとてもエレガントで研究も目を見張ります。 ユーザーに豊かな時間そのものを提案できる製品となると思います。機械時計のように、ムーブメントの動きに見惚れるような製品にまで仕上げられるとより素晴らしいと思いました。(文責:川合辰弥)

優秀賞:神林さやか「指道具」
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評価コメント:
一番身近な「指」そのものを道具にするという、ありそうでなかった着眼点がとてもユニークでコンセプトが面白いと思いました。 実際に使用してみて比較対象に対して優れているのかという検証が成されるところまで詰められたならばヒット商品になる要素があると感じました。 (文責:川合辰弥)

セントラル画材賞:加藤香菜「まるまる」
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評価コメント:
製品の完成に至る前の、一冊によくまとめられた様々な調査結果とデータ収集等、大変熱心な研究姿勢に感銘を受けました。 熱心な研究と機能美の追求においてとても素晴らしい成果だと思います。更にインテリアとしての感覚的な魅力がユーザーにダイレクトなものにまで仕上げられたら、より素晴らしいと思いました。(文責:川合辰弥)


 

■名古屋市立大学

 2019年2月23日(土) 会場:国際デザインセンター6Fセミナールーム

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最優秀賞:筒井喬之「低侵襲ロボット手術のためのマニピュレーターのデザイン設計要件の抽出」
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評価コメント:
普段あまり接する亊の無い医療器具、大変興味を持って見させていただいた。本研究の腹腔鏡手術での、掴む、切ると言う二つの動作を一つの先端で手術出来るように工夫した。非常にコンパクトで先端の形状が二つの機能をうまく作動できるよう、医師の指の動きをしっかり研究することによって片手での操作を可能にし、美しい形状にまとめるという快挙を成し遂げた。今までこの機能が別々の器具で実施されていた事が不思議なくらいではあるが、その発想とまとめ方の素晴らしさが評価された。 (文責・木村徹)

優秀賞:三宅広華「AR、VR、MRを用いた手術サポートデバイスのデザイン設計要件」
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評価コメント:
医師の手術を、いかに正確でかつ敏速にこなす事が出来るよう情報を手術しながら確認出来る様に工夫された素晴らしい研究成果だ。出来る限り手術の手を止める事なくその都度患者の情報を確認しながら今やらなければはらない事が、的確かどうかの判断と共に、次の作業がどうあるべきかを確かめる事が一瞬にして目の前のスクリーンで可能にしている点、評価された。惜しかった点は、固定の仕方にもより確実で医師の動きに対する追従性などの研究も同時にされていればより評価が高くなった。 (文責・木村徹)

特別賞プロダクト賞:渡邊理紗「新型剥離子のデザイン設計要件」
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評価コメント:
剥離子の機能をよく研究し、医師が手に持って最も作業しやすい形状のあるべき姿を研究した真摯な取り組みが評価された。デザインのスタートは、その道具がどのように使われるか現場でしっかり確認し、良い点、修正すべき点など、確かめる所から始まる。地道に医師とのコミュニケーションを取るなどしなければ決してこの様な結果は得られない。グリップの部分もそれぞれの作業の動きを的確に捉え、形状を工夫し造形されている点も素晴らしい、この研究を基に、美的昇華にもチャレンジして欲しい。(文責・木村徹)


 

■名古屋芸術大学

 2019年2月16日(土) 会場:名古屋芸術大学 X棟
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最優秀賞:荒木紀充「Mobility as a Tool」
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評価コメント:
離島に於ける運搬を目的としたトランスポーターの提案。1人乗り用の座席と荷台をコンパクトなサイズの中に収め、漁業や農業での活躍をイメージしている。高いヒップポイントの座席への乗降性や、高い地上高に設定されたバッテリー(重量物)、荷物を積載した際の前後のウエイトバランスなど、安定感や利便性には更に研究の余地はあるが、漁業や農業の高齢化を背景とした社会的な問題に目を向け、働く車の新しい姿にチャレンジした点が興味深い。高い地上高はシャシーから上を常に水平に保つオールテレインサスペンションを予感させるユニークなスタイリングだが、今日のテクノロジーによる新しい機構を盛り込んでも面白かったと思う。(文責・金澤秀晃)

優秀賞:東山悠加「現代に蘇るドライエ」
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評価コメント:
1900年代前半に活躍したフランスのブランド「ドライエ」にインスパイアされ、そのスタイリングの現代版を模索した作品。ドラージュやデューセンバーグでは無く「ドライエ」のチョイスの渋さにやられた。車はユーザーの所有欲を掻き立てる「情緒的な価値」の高いプロダクトだと感じるが、単にスタイルの要素を模倣するのでは無く、その歴史や文化を丁寧にリサーチし、スピードシェープを通してエモーショナルな造形を探り当てるプロセスが魅力的だった。モデルのクオリティーも高く「カタチに対する憧れ」が伝わってきた!現代のメカニズムやパッケージとの整合性には考察の余地はあるが、デザイナーは「美しさ」を扱う仕事だと改めて感じさせてくれた。(文責・金澤秀晃)

優秀賞:新實栞菜「Miyoshi」
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評価コメント:
ひとり用土鍋の提案。冷凍食品に頼り、偏りがちなひとり暮らしの「食」に対する問題提起。カタチに新しさや斬新さは無いが、鍋と上蓋の間に中蓋を持つ3部品の構成で、様々な料理に対応できる多様性と、蓋を器として利用する利便性を持つ。上蓋と中蓋は裏返すとスッキリ鍋の中に収納され、凹凸のある広い鍔は持ちやすさを配慮し、アクセントとなるレリーフ形状は器として使用する際の無骨な印象を和らげてくれるなど、細部に女性らしい細やかな配慮がちりばめられている。ひとり暮らしの実体験から発想されたリアリティーがあり、調理器具のまま食べることが出来る土鍋は、洗い物を減らし「ずぼら」を合理的に楽しむ仕掛けになると感じさせてくれた。(文責・金澤秀晃)


 

■名古屋学芸大学

 2019年1月26日(土) 会場:愛知県美術館ギャラリー8F
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最優秀賞:長屋祐希「EveryWalk」
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評価コメント:
従来のパワードスーツは、モーターを動力とする機械然としたイメージが強いのに対し、本提案のスーツは、ゴムと空気圧のコンビネーションという非常にシンプルな構成で、フィットネスのスポーティなイメージへと転換を計っている。服の下に身につけるため、使用者のファッション性を損なわず、また「機械に歩かされている」のではなく「自らが歩いている」という実感が期待できるため、使用者の歩行に対する「前向きさ」を心理面で後支えしてくれる可能性を感じた。圧縮空気タンクユニットのレイアウトなど課題もあるが、近い将来、超高齢社会の新たなスタンダードスーツとなることを期待したい。(文責・仙田 学)

優秀賞:江草 彩「Familno」
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評価コメント:
親と子の接点として料理に着目し、キッチン用品や食器を通じて親子の交流の場を創出する提案。子どものモチベーションを維持する仕組みとして「遊びの延長」を基本コンセプトとし、ゲーム性や彩りの演出などを行為のデザインとして具現化している点が評価された。料理のプロセスをシーンごとに切り分け時間軸で見たときに、それぞれの提案がストーリーとして紡がれるよう構成されている点が素晴らしい。さらにもう一歩踏み込んで、「料理したものをいただく」シーンとの連携も意識すると、食卓を舞台としたトータルな提案として成立するかもしれない。 (文責・仙田 学)

努力賞:鈴木健斗「315 Concept」
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評価コメント:
他に比べ、作品の質・量ともにレベルが高い点が評価された。鉄道車両を舞台とした車内空間の過ごし方に着目した点は、とても自然な流れだと思うが、今から20〜30年後の未来については、もっと描ける余地があると感じた。未来における社会、生活、仕事、学校など様々な観点から鉄道車両の未来について考察し、未来の輪郭を描くことも大切だが、子どもや若い世代に未来に対する憧れやわくわくを感じてもらえるようなデザインを提示することも、デザイナとして重要な役割だと思う。自戒の念を込めて。期待しています。 (文責・仙田 学)


 

※椙山女学園大学と愛知産業大学の卒業制作展訪問は、都合により本年度は開催しませんでした



主催:(公社)日本インダストリアルデザイナー協会・中部ブロック
協力:セントラル画材株式会社
副賞提供:株式会社Too 

 

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