JIDA Student Selection 2026
JIDA Student Selection 2026受賞者のご知らせ
JIDA中部ブロック ブロック長 後藤規文
JIDA Student Selection主担当 影山友章
中部ブロック主催のJIDA Student Selection 2026が開催されました。
今回は6つの大学より11名のエントリーがあり、9月4日(金)にFabCafe Nagoyaでプレゼンテーション&講評会開催され、その中より優秀賞が選出されました。
金賞:長谷川 楓 名古屋市立大学
銀賞:金田 有真 名古屋芸術大学
銅賞:大西 優太 静岡文化芸術大学
Fabcafe Nagoya賞:髙橋 光瑠 名古屋市立大学
入賞:
石川 蓮 愛知県立芸術大学
植山 春菜 愛知県立芸術大学
池田 優花 大同大学
杉江 立 大同大学
山本 修平 静岡文化芸術大学
白井 千尋 名古屋芸術大学
井上 真緒 名古屋造形大学
総評
今年で5年目を迎えたJIDA Student Selection 2026では、イベントの定着への手応えや今後の発展を予感させる質の高いプレゼンテーションが並んだ。
金賞を授賞した名古屋市立大学の長谷川楓さんによる「SHIMANO Gear Quest」は、子供用自転車を対象にした、生涯最高速度と累積走行距離に応じて新しいギアが届く新サービスである。ゲームなどのバーチャル世界で満たされてきた子どもの成長欲求を、自転車という物理世界で満たすという、新鮮かつ時代の価値観を捉えた着眼点が高く評価された。
銀賞を受賞した名古屋芸術大学の金田有真さんによる「EN Kitchen」は、縁側に隣接する、室外とのコミュニケーションを誘発する新発想の対面キッチンである。子どもの孤食と高齢者の孤立という社会課題を背景に、キッチンを通じて両者を繋ぐという新しい機能を生み出した。社会性の高さに留まらず、その機能を実現するためのキッチンの形状や空間の質の高さも評価された。
銅賞を受賞した静岡文化芸術大学の大西優太さんによる「蒸留・蒸す」は、インドネシアの衛生問題を背景にした体験型店舗である。海外渡航歴のある人であれば誰もが経験したことがあるであろう「水の安全」の問題を、水を蒸留する過程を意図的に見せ、それをインテリアデザインのキーのするというやり方で解決させた点が聡明であった。コンセプトのみならず、空間デザイン全体の質の高さも含めて評価された。
FabCafe Nagoya賞を受賞した名古屋市立大学の高橋光瑠さんによる「SHIMANO ミノリドコロ」は、汗量センサーと専用のビールサーバーを軸にした、汗をかいた分だけビールを飲むことができる自転車イベントの提案である。“自”ら“転”がす“車”である自転車の価値を的確に捉えて、一杯のビールの喜びを増幅させる形で還元させたユニークな発想が評価された。
これらの上位賞受賞作品が物語っているように、今年度はAIの普及などがもたらした効率化と均質化が進んだ社会へのアンチテーゼが見て取れた。金賞の「SHIMANO Gear Quest」は、全てのギアを獲得するまでに時間と労力がかかる、効率化とは相反する提案である。銀賞の「EN Kitchen」も効率的でスムーズな調理とは一線を画す提案であり、銅賞の「蒸留・蒸す」も時間がかかる蒸留工程を軸にしていた。ICTやAIを活用すれば、効率的でスムーズな体験が容易に生み出せる時代である。しかし、その反動によって生まれた人の主体性や尊厳損失の問題も顕在化しつつあり、前時代的“スマートな”UXでは、面白みが生み出せない時代に差し掛かっている。これからの日本を担う若いデザイナーたちが、本質を捉えたデザイン提案を生み出していたことに、頼もしさを感じるプレゼン会となった。(文責:影山友章)
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JIDA Student Selectionは、次世代デザイナーの育成企画を目的としたもので、これから就活に挑む3年生を対象に各教育機関で行われている前期の課題より、優秀な取り組みを行なった学生を推薦。その学生にはJIDA Student Selection(賞状)が授与され、ポートフォリオにバッチ掲載が許可されます。また、プレゼンテーション&講評会に参加してもらい、その中より優秀賞をセレクトしました。
今回の講評会審査メンバー(JIDA賛助会員)
・松井 明子 氏 株式会社アイシン デザイン部
・折笠 弦 氏 株式会社デンソー デザイン部
・藥師 忠幸 氏 株式会社豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニー製品企画部技術企画室デザインG グループ長
・浅野正英 氏 ブラザー工業株式会社 総合デザイン部 プロダクトデザインG チーム・マネジャー
・岡本 俊彦 氏 三菱自動車工業株式会社 デザイン本部 担当部長
・山口 寿人 氏 ヤマハ発動機株式会社 技術・研究・デザイン本部 プロダクトデザイン部
審査のオブザーバー
・山口 保武 氏 ブラザー工業株式会社 総合デザイン部部長
・久保田将平 氏 ブラザー工業株式会社 インターフェースデザイングループ ※2022年金賞受賞者
FabCafe Nagoya賞審査
・斎藤健太郎氏 株式会社FabCafe Nagoya コミュニティマネージャー
プレゼンテーション&講評会
日時:2026年9月4日(金)14時~18時
場所:FabCafe Nagoya(名古屋市中区丸の内3丁目6-18)
主催:公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会(JIDA)中部ブロック
共催:株式会社FabCafe Nagoya
