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2022年 理事長より新年のご挨拶

JIDA
理事長 太刀川英輔

皆さま、2022年あけましておめでとうございます。

 

本年私たち公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会(JIDA)は70周年を迎えます。JIDAが発足した1952年はようやくGHQの進駐が終了した年です。戦後の傷跡もまだ癒えぬ社会。公衆衛生も伴わず、モノも充分に行き渡らなかったからこそ、作りやすく効率的で無駄のないモノに囲まれた未来を、先人はデザインに期待しました。こうして傷ついた社会は新たな産業を求め、日本デザインの初声としてJIDAは誕生しました。

 

JIDA誕生から12年後の東京オリンピック、18年後の大阪万博まで、デザインによる希望ある未来が数多生まれました。そこには常にJIDAに集うデザイナーたちが掲げる、未来への視座と影の努力があったのを、私たちは歴史の痕跡に垣間見ることができます。

 

2022年、70年経った現在はどうでしょう。私たちは人類史上最も豊かな時代を過ごしています。かつてのように東京オリンピックを経験し、大阪万博を目指しています。しかし昨年のオリンピックは既得権者のためのものでなく、未来への提案がなされていたでしょうか。オリンピック後のCOP26では日本は不名誉な化石賞に認定されてしまいました。はたして2025年の大阪関西万博では、デザインで未来の希望を語ることができるでしょうか。

 

新型コロナウィルス、生物多様性、土壌循環、気候変動と災害、惑星の限界。私たちはすでに戦争を超える悲劇へと足を踏み出しています。しかし同時に今、社会のデジタルシフト、次世代エネルギー、サーキュラーエコノミー、ESG投資など、新しい産業の産声も聞こえています。まさに私たちは栄光の1970年から悲しみの1945年を逆回しに進むかのように、悲劇に向かわないための産業のリデザインの最中にいるのです。

 

この大転換のために、デザインは切に求められています。もはやデザインは狭い職能ではなく、未来に希望を掲げる知恵へと復権しました。JIDAもかつての姿を取り戻し、デザインによって希望ある未来を語るための伴走者でありたい。だからこそ私たちは昨年、デザイナー協会からデザイン協会へと名称変更しました。JIDA会員の企業や個人の仲間である皆さまとともに、持続不可能を超える新しい産業デザインを次々と実現していく。希望に向かうデザインの旗を掲げ直すような70周年を、会員の皆様と共に迎えていけたらと思います。

 

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


 

 

公益社団法人 日本インダストリアルデザイン協会

理事長 太刀川英輔

更新日:2022.01.12 (水) 12:39 - (JST)]