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コラム2「デザイナーの常識、良識、見識」

安藤 孚
東日本ブロック

前回の 協会考論(1)では、最初に 1 会員は協会をどう理解しているのか(職能団体の役割と存在意義)について記述し、職能団体の基盤整備として確認した。

キーワード 

  1. デザインの価値
  2. 職能の確立
  3. 健全産業化  

の3点を取り上げた。

「コラム 2」では、「協会運営組織体制の現状と課題」について記述してみたい。

 

協会考論(2)                                                                                 

1 協会運営と綱領の確認

基本的理解として最初に、協会の「綱領」を確認しておきたい。
綱領とは、その集団の考え方、基本方針を示すものである。

「JIDA会員は自らの職能価値の向上に努め、会員および関係分野相互の積極的な共創活動を通して、こころ豊かな生活環境と文化の実現を目指し、わが国産業と国際社会の持続的発展に寄与します。(平成15年5月11日 改定)」

協会は、1952(昭和27)年にインダストリアルデザイナーの任意団体として創立した日本で唯一の全国組織である。1969(昭和44)年に社団法人、2012(平成24)年に公益社団法人に認定された。社団法人は、一定の目的のもとに結合した人の集合体(人的結合体)で、会員は社団法人の基礎である。

 

2  理事会(センター)・運営会(ブロック)・事務局は協会運営の主軸機能である。

協会運営の方針や政策を審議し決定する協会のセンター機構(司令塔)は、理事会(役員)である。
企業の「取締役会」に該当し、協会運営の最重要組織の1つである。
理事会は、役員(理事、監事)と事務局長で構成される。

 歴代の理事長(記録)

  • 佐々木達三(52~53年) 
  • 豊口克平(54~55年) 
  • 佐々木達三(56年) 
  • 小池岩太郎(57年) 
  • 小杉二郎(58~59年) 
  • 豊口克平(60~64年)
    (創立から1957(昭和32)年までの6年間は、理事10人で監事は不在。)
  • 小池岩太郎(65~66年) 
  • 佐々木達三(67~68年) 
  • 皆川正(69年) 
    (1967(昭和42)年から理事15人体制になる。)
  • 栄久庵憲司(70~75年) 
  • 皆川正(76~78年) 
  • 真野善一(79~80年)
    (創立から1976(昭和51)年までの25年間、副理事長は不在。)
    (1977(昭和52)年から副理事長制度が導入。)
  • 寿美田与市(81~84年) 
  • 豊口協(85~90年) 
  • 鴨志田厚子(91~92年) 
  • 木村一男(93~98年) 
  • 大倉冨美雄(99~2004年) 
  • 山内勉(05~06年)
    (2001(平成13)年から、12年間は外部監事(池田先生)の参加。)
  • 浅香 嵩(07~12年) 
  • 田中一雄(13~20年)
     (2011(平成23)年から、理事13人体制に。(今期から理事11人制)

 

理事会の役割

協会の議決機関で、協会の方針や政策の審議、決定機関。協会運営の司令塔で協会のボードメンバー。対外的独立性と対内的最高性の責任をもつセンター機能としての協会運営の責任がある。
特にチェック機能として、理事の業務監査を受け持つ監事の指摘事項の意味を、理事は重く受け止めなければならない。これが公益法人の大きな特徴の1つ。

役員の受任者責任

選挙で選出され、承諾し会員から委任された受任者である役員は会員(委任者)に応える「善管注意義務」の責任がある。定款や諸規程を遵守の上での自由闊達な行動が原則で、これは公益法人運営の一丁目1番地。
(善管注意義務とは、その人の能力や社会的地位から当然とされる注意を払う義務のこと。民法644条で規定された「善良な管理者の注意義務」の略。その立場として当然の注意義務。事態を放置した「不作為」責任でも問われる。)

協会はプロダクトデザインの普及啓発について、研究活動や事業活動の具体的戦略を実現する方針・政策を全国展開のために、各ブロックに向けて強力に推進する責任がある。同時に、その為の組織活力と人材育成に努めなければならない。
協会はセンター機能として、司令塔の「理事会」とブロック管理の「運営会」と協会管理センターの「事務局」のトライアングルな、プロデザイナーの人的集合体である。センター機能(理事会)の主導的役割(方針・政策)とブロック機能の主体的役割(実践・行動)の太いパイプ(ベクトル)が、強力な集団の対外的活力を生み出すパワーとなる。協会活動は、単なる会員の個人的な自己主張のサークル活動ではない。

 

3 協会運営の変遷(旧体制から新体制)

協会は、創立40周年(1992(平成4) 年)後の、1993(平成5)年に協会の運営体制が変わり「新生JIDA」として再出発した。
創立時代の佐々木達三、豊口克平理事長や小杉二郎、小池岩太郎、皆川正理事長と続き、その後1970(昭和45)年の頃から、徐々に中央集権的運営が始まり、この協会運営体質改善や協会運営の私物化等に対する強い拒絶反応もあり、協会運営体制改善の大改革となる。
新生JIDAの「センター/ブロック制度」導入によって、それまでの旧体制の支部協議会が下記のように5ブロックに変わる。

  • 旧、支部協議会  関東地区準備会 中部事業支部 北陸地区準備会 関西事業支部 中国地区準備会
  • 新、ブロック   東日本ブロック 中部ブロック 北陸ブロック 関西ブロック 西日本ブロック

 

4 新生JIDAについて

第24回通常総会(1992(平成4)年5月29日 世界貿易センタービル)で、鴨志田理事長より「会費改定」が提案(年会費 36,000円から 72,000円)される。

1973(昭和48)年にも会費改定(年会費12,000円から 36,000円)があり、この時は会員の熱意が背景にあり賛成多数で可決。今回は、協会の「台所が火の車(財政再建)」が背景。
「今回の会費改定で、1992年から1994年の3年間で 180名の会員が退会。」
「1993(平成5)~1994(平成6)年度の役員選挙で、役員が大幅に入れ替わる。」


「号外 JIDA NEWS HOTLINE (1993(平成5)年6月20日)が発行される。
職能団体として再出発。 活動の視点は、地域活動(ブロック)に主眼を置く。
従来の本部に集中していた機能はブロックに委譲し、本部はブロックの活動を調整する潤滑油。HOTLINEの充実。機関誌「INDUSTRIAL  DESIGN」の発刊休止。若いデザイナーの入会を募る。会費も年会費 36,000円とする。
定款の改定。企画推進会議の新設。理事の対外的責任。ブロックの地域活性化。など等。
(以上、号外)

 

  • 第1回理事会(93年4/10  土 浜松町) 明るい透明な協会運営。中央集権的運営からの脱皮。会費値下げ。若手の入会。機関誌(160号)の休止。
  • 第2回理事会(93年4/25 日 京都大) 活動計画・運営組織・財政問題。退会者に複会の呼びかけ。
  • 第3回理事会(93年 5/8 土 名古屋) センター・ブロックへの改名。事務局の経費削減化。
  • 第4回理事会(93年5/29 土 浜松町) 総会提出議案。「93年度の事業計画」「第25回通常総会(1993年5月29日で議案可決)」
  • 第5回理事会(93年6/6 日 浜松町) 理事の役割分担。企画推進会議を設置。

 

情報収集(2)

平成の30年。1989(昭和64)年1月7日昭和天皇が逝去し明仁親王殿下が即位「平成」と改元

  1. 元(1989)年 消費税(3%)を実施 「ベルリンの壁」崩壊 天安門事4件 
  2. 2(1990)年 日本人初(秋山豊寛)の宇宙旅行 東西ドイツ統一
  3. 3(1991)年 ソ連(69年の歴史)崩壊 湾岸戦争 バブル崩壊
  4. 4(1992)年 新幹線「のぞみ」大店法 両陛下中国訪問 貴花田最年少優勝
  5. 5(1993)年 皇太子さま結婚 細川内閣発足 法隆寺世界遺産 55年体制崩壊
  6. 6(1994)年 小選挙区制度 大江健三郎ノーベル賞 日本人女性初(向井千秋)宇宙旅行
  7. 7(1995)年 阪神大震災 地下鉄サリン事件 青島都知事 横山府知事
  8. 8(1996)年 ペルー日本大使館事件 東京三菱銀行発足
  9. 9(1997)年 消費税(5%)を実施 山一証券経営破綻
  10. 10(1998)年 長野五輪 長銀破綻 和歌山県ヒ素事件 橋本首相辞任 小渕内閣発足
  11. 11(1999)年 EUの単一ユーロ導入 自民、自由、公明の連立政権
  12. 12(2000)年 金融庁発足 森内閣発足
  13. 13(2001)年 米同時多発テロ 省庁再編(1府12省庁) 小泉内閣発足
  14. 14(2002)年 経団連発足 北朝鮮日本人拉致を認め5人が帰国
  15. 15(2003)年 イラク戦争
  16. 16(2004)年 新潟県中越地震
  17. 17(2005)年 愛知万博 JR福知山線脱線事故 郵政解散
  18. 18(2006)年 堀江逮捕 村上逮捕 荒川静香五輪で金メダル
  19. 19(2007)年 郵政民営化 年金記録漏れ5000万件
  20. 20(2008)年 リーマンショック 北京五輪で男子400リレー2位 北島連続2冠
  21. 21(2009)年 裁判員制度 民主党政権 オバマ米大統領就任
  22. 22(2010)年 平成の大合併 菅内閣 経済大国(世界2位)から3位に、中国の躍進
  23. 23(2011)年 東日本大地震 野田内閣発足 金正日総書記死亡 なでしこジャパン世界一
  24. 24(2012)年 東京スカイツリー 尖閣諸島国有化 山中伸弥ノーベル賞
  25. 25(2013)年 富士山世界遺産 東京五輪決定
  26. 26(2014)年 消費税(8%) 御嶽山噴火
  27. 27(2015)年 安全保障関連法 イスラム国、日本人を殺害
  28. 28(2016)年 小池都知事 熊本地震 オバマ広島訪問 英国EU離脱 天皇退位宣言
  29. 29(2017)年 トランプ大統領 九州豪雨 もりかけ問題 民主党分裂 稀勢の里横綱
  30. 30(2018)年 西日本豪雨 北海道地震 築地市場に幕 オウム13人死刑 ゴーン会長逮捕

平成の30年間は、日本にとつては戦争の無い安定の時代と言われる一方で「厳しい時代」とも言われ日本経済は低迷し「日本型雇用慣行」が崩れた時代ともいわれる。「平成の30年」については、次回に更に記述したい。

 

雑考 その他                                 

1    新しく年号が変わった。

近現代日本での代替わりは、5回目。
(1) 孝明天皇から明治天皇
(2) 明治天皇から大正天皇
(3) 大正天皇から昭和天皇
(4) 昭和天皇から平成天皇
(5) 平成天皇から令和天皇

時代の命名である元号は、その時代の理想や希望を文字に託すもの(所功)で、1人の天皇の治世に1つの元号という「一世一元」は、1868年の明治改元の際に岩倉具視が提案したといわれる。
元号のルーツは中国で紀元前の前漢時代に初めて「建元」という元号が定められた。しかしその後、1911年の辛亥革命で2千年以上続いた元号は廃止。現在元号制は日本だけに残り「大化」から1,300年以上,「令和」で248。グローバル化の中で、そこにしかない「独自性」を持ったものが価値を持つ。日本にだけ「元号」があるというのはソフトパワーだ(磯田道史)

更新日:2020.05.27 (水) 14:27 - (JST)]