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理事長挨拶


理事長 田中 一雄

 約70年にわたる輝かしい軌跡を経て、2021年JIDAは「公益社団法人 日本インダストリアルデザイン協会」として新たな歩みを始めました。これを機に、JIDAはより多くのインダストリアルデザインに関係するプロフェッショナルとともに、その活動を拡げて参ることとなりました。

 

 では、このような変革が、なぜ今必要だったのでしょうか。それは、社会経済状況の急激な変化のなかで、インダストリアルデザインに求められる役割が大きく変わっていることを見れば明らかです。インダストリアルデザインは、製造産業におけるモノづくりの専門職でありつつも、生活や体験やサービスを生み出す職能へと拡大しています。こうした背景には、急速な社会のデジタル化によるビジネスの変革や、地球環境問題などのなかで先送りのできない危機的状況などがあります。インダストリアルデザインは社会とかかわる行為であるからこそ、社会の変革のなかで新たな変革を目指したのです。

 元よりインダストリアルデザインとは、「過去へのアンチテーゼ」としての役割を持っていました。そのことは、「より良い生活の全体像構築」を理想としたバウハウス運動や、「明るい未来への夢」を描いてきたアメリカンデザインなどの歴史を見ても明らかです。インダストリアルデザインは工芸を原点としつつも、伝統的な工芸とは異なった意味で「新たな価値の創造」を行うものです。今回の変革は、このようなインダストリアルデザインの役割に照らしても必然であったと言えるでしょう。

 

 JIDAは今、「デザイナー協会」から「デザイン協会」へと変革したことにより、旧来の職能としての専門性向上だけではなく、インダストリアルデザインが関与する産業社会全般の価値向上を目指すものとなりました。このことによって、デザイナーのみならず、リサーチャー・プランナー・エンジニア・プロモーター・研究者・教育者・行政関係者・経営者などを含めた総合的な組織として活動していくこととなります。

 私たちが暮らす社会は、留まることを知らないデジタル化のなかで、益々複雑な社会へと変容していくでしょう。既に20世紀の社会モデルは明らかに終焉を迎え、21世紀の社会が生まれてきています。この歴史の転換点において、JIDAが総合的なインダストリアルデザインの運動体としてリフレーミングすることにより、更なる発展を遂げることを願ってやみません。

 

2021年4月1日
公益社団法人 日本インダストリアルデザイン協会
理事長 田中一雄

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田中一雄 (たなかかずお)

㈱GKデザイン機構 代表取締役社長

1956年東京生まれ。本籍:石川県 東京藝術大学大学院修了。

(公財)日本デザイン振興会理事。国際インダストリアルデザイン団体協議会(ICSID)前理事。中国国際デザイン産業連盟副委員長。グッドデザイン賞、都市景観大賞、Red Dot Design賞 、Braun賞、if Shanghai賞、Australian・International Design賞、などの審査員を歴任。プロダクトから都市環境まで多様なデザインを手掛けている。技術士(建設環境)

高校時代に、カースタイリング創刊号を、いずみや(現tools)店頭で見て衝撃を受けカーデザイナーを志す。

写真と旅行と映画が趣味だが、最近は時間なし。蕎麦屋で日本酒が至福の時。

更新日:2021.04.01 (木) 01:26 - (JST)]