JIDA

第93回「環境対応型プラスチック材料について」

 

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【開催日】 2020年2月4日
【講 師】 三菱ケミカル株式会社
 高機能ポリマー企画部 市場開発グループマネージャー 角田 守男 氏
 C4ケミカル事業部新規事業推進Grグループマネージャー 太田 祥史 氏
【参加者】 17名
【会 場】 六本木JIDAギャラリー
【概 要】 
環境対応型プラスチック材料について、プラスチック材料を取り巻く環境やプラスチックの種類などのプレゼンテーションが行われた。

プラスチック生産量は年間4億トン

  • そのうちリサイクルされていないプラスチックスは全体の90%(3.6憶トン)
  • 全プラスチック中のバイオプラスチックスの割合は全体の0.2%


プラスチックの循環の在り方はCO2排出の削減とSDGsの達成であり方法は2つある

  • 一つは使わなくなった材料をそのままリサイクルするマテリアル(ケミカル)リサイクルする方法。
  • もう一つは植物性プラスチックを生分解させる、または焼却(エネルギー回収)する方法。


植物性プラスチック材料は「高コスト」と「非可食性」が課題

  • 植物からプラスチック材料を作る際、加工技術に高いコストがかかっている。
  • 非可食性(人間が食用にしない植物)材料をチョイスすることも重要。


植物性プラスチックには大きく分けて2つある

  • 「バイオマスプラスチック」は化石燃料からは造りえないバイオマス由来のプラスチックス。
  • 「生分解性プラスチック」は土壌や海洋で完全な生分解性(腐敗)を持つプラスチック。


バイオマスプラスチックの商品事例

・DURABIO
植物由来原料であるイソソルバイドを主原料に用いたポリカーボネート樹脂。透明性、光学特性、耐熱性、耐候性などの基礎特性をベースに共重合・複合化による特性改良・機能付与を行い、多様な用途展開を図っている。

  用途:自動車内装・外装、医療用途、屋外用途など

・BENEBiOL
耐久性に優れ柔軟性等で優れた機能を付与する世界初の植物由来のポリカーボネートジオール。従来にない組成や高分子量によりすぐれたポリマー物性を実現。
  
用途 木工用コーティング、自動車内装やアパレルなどの人工皮革
生分解性プラスチックの商品事例

・バイオPBS
自然環境下の微生物の力で水と二酸化炭素に分解される植物由来の生分解性プラスチック。

用途:ショッピングバック(袋)、カトラリー、不織布など

・フォゼアス
植物由来の樹脂・副資材をコンパウンドした生分解性樹脂組成物。

用途:ショッピングバック(袋)、カトラリー、不織布など