JIDA

第79回「エクスジェル」

 

スタンダード委員会 セミナー部会 

【第79回勉強会】エクスジェル

開催日:2016年9月22日

講師:(株)加地 取締役営業本部長 塩谷敏之 氏  研究開発・商品企画課 金光未来 氏

参加者:9名

テーマ:新素材「エクスジェル」について

会場:JIDA ギャラリー

20161210-012652.jpg

1、エクスジェルとは

株式会社加地は、20年以上医療・介護用のクッションを製造して来た中で、3次元での粘弾性を持つエクスジェルが開発された。

エクスジェルは、固体を流体に近づけた合成ゴムで、流体ではない。飛行機内持ち込みは可能。

 

2、エクスジェルの特徴

-1 衝撃吸収する弾力性:ウレタンクッションの10倍の縦方向衝撃吸収力、薄くても効果的。

-2 圧力を分散する柔軟性:約20倍まで伸び元の形に復元、圧する形に添って変形、体圧を分散。

-3 ズレに沿う流動性:前後左右のズレに沿うので皮膚をすらない、床ずれを防止。

 

3、エクスジェルの基本情報

-1 熱可塑性なので型で成形可能、成形時間は形によるが1個数10分程、量産には型が多く必要。

-2 スチレン系1液のタイプ1は、流動性が高く、柔らかく、主にクッション用。ウレタン系2液反応のタイプ2は硬度可変で主に機械部品用。

-4 推奨使用温度領域:0℃~80℃  -30℃~150℃の範囲であれば復元 

-5 比重は約1前後

-6 タイプ1は汎用Mに対しやや柔らかいS、やや硬いHが2種類の合計4種類から選択。

   タイプ2は、アスカーF硬度で、40~98Fの中で選択可能、ただし、量産には条件あり。

-7 エクスジェルの厚さは5mm以上で使用する。

  発砲ウレタン成形品をベースに、エクスジェルを配置すると効率的

-9 エクスジェルを直接肌に接触させない。エクスジェルは柔らかいので表面にゴミが付くのを予防するためにも、ストレッチ性のある、オイルブリードしない特殊素材の表皮材を使用。

肌への通気性のためには取り外し可能なカバーを用意。 

-10 表皮とエクスジェルは一体化し分離が難しいので、廃棄時は焼却する。 

-11 成型・加工方法には特殊な設備が必要な為、材料のみの供給はせず、共同開発する

 

4、エクスジェル製品

-1 クッション:介護・福祉用クッション、 サポートクッション、アームレスト

パッド、ベッドパッド、ストレッチャー、枕、 一般シートクッション、自動車シートクッション、カースポーツ用クッション、

-2 事務用品:マウス用手首パッド、シートクッション、肘あて、

-3 リラックス:枕、ヘッドレスト、エステ用クッション、洗髪台の首支え、

-4 安全:浴室マット(滑り止め)、

-5 スポーツ:ゴルフトレーニングパッド、足裏感覚トレーニングパッド、

-6 ペット:床ずれ防止ペットマット、

 

5、今後のエクスジェル製品開発展望

-1 一般商品、高コストは付加価値でカバー ⇒ 体感の良い高価格帯商品に使用効果あり

-2 限られた空間内で求めるクッション性を出す

-3 パソコン関連品で人の身体に対するクッション、少量使用でコストカット

-4 高級イヤフォン