JIDA

第24回「ホットスタンプ」

 

2006年5月25日 
クルツジャパン株式会社
部長:中山 哲郎氏 課長:林田 光弘氏  営業課:森田 喜彦氏
参加者:20名

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今回の勉強会は、箔メーカーシェアNo.1のクルツジャパン株式会社さんに
ホットスタンピング箔の種類、スタンプの方法の基本から応用例等をスライド
と実際にスタンプされたサンプル品を見ながら説明していただきました。

<ホットスタンプ>
基本的なホットスタンプ用の箔の構造は
1.ポリエステル層(ベース)
2.リリース層(離型剤)
3.トップコート層
4.蒸着層(アルミや顔料)
5.接着層
以上の5層で出来ています。

メタリックの色味は蒸着層とトップコートの顔料で決まり、例えば蒸着層に
アルミの膜を作り、トップコート層を黄色にすることで金色を表現している
そうです。

基本的なスタンプ方法は、表面がシリコンで出来る型を温めて、成形部品と
型で箔を挟み込み熱転写して仕上げる『アップダウン式』や『ロール式』が
あります。成形部品に箔を押し付ける時間や温度等はノウハウだそうです。

他にも複雑な工法で、
・特別に開発されたインモールド用の箔を金型内に供給し、射出成形と同時
にインモールド装飾がおこなわれる『IMD(インモールド)工法』

・転写シートを加熱真空成形機にて3D形状に成形し不要な部分をダイカット。
出来上がった熱成形シート(シェル)は、その後射出成型機の金型内にイン
サートし、装飾成形がおこなわれる『インサートモールド工法』等があり、
複雑な自動車の内外装への立体成形品加装が可能になったそうです。


<ホログラム箔>
化粧品のパッケージや容器、釣り用のルアー等の装飾に使われているホログ
ラム箔は、レーザー光線を用いてシート内にエンボス層を作り、キラキラと
輝く魅惑的な外観を表現しているそうです。


<OVD・セキュリティーホログラム>
紙幣やクレジットカード、パスポート等の偽造防止対策として使われている
のが最先端のODV(Optical Variable Device)技術で開発されたセキュリ
ティーホログラム。

セキュリティーホログラムの3つの提言
1.真偽の判断が容易(Easy to communicate)
2.容易に証明することができる(Easy to verify)
3.模造が難しい(Hard to copy)

セキュリティーホログラムの種類
・『2Dホログラム』
遠近感のない平面表現ホログラム。輝きの角度をつけ、人目を引き、デザイ
ンのはっきりとした表現ができる。
・『2D/3Dホログラム』
2次元デザインを多段階に構成。奥行感のある3次元的表現ができる。
・『3Dホログラム』
よりリアルに現物を再現できる。
・『デジタルホログラム』(ドットマトリクス)
ドット描画により光の回折効果を自由に演出でき、また光指向性がなくどこ
から見ても高い輝度を発揮する。
・『トラストシール』
線画で表現されるクルツさんの専売技術。
より高い輝度と精細な表現を実現する最高技術のODVで、クリアな画像の
切り替え等、様々な特徴を有する。

以上のように、今回の勉強会では基本のホットスタンプからセキュリティー
まで、箔の技術の現在を確認することができ、一枚の薄い箔には沢山の歴史
や技術が凝縮されていると感じました。