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事務局に保管されている、当時のJIDAマークの版下と作図法(2015年12月撮影)

JIDAの発足とJIDA「d」マークについて

職能委員会委員 内野雅子

日本インダストリアルデザイナー協会(Japan Industrial Designers’ Association:JIDA)は1952年(昭和27年)に創設されました。当時、協会としてのマークはなく、翌年、すでにグラフィックデザイナーとして名を馳せていた亀倉雄策氏が推薦を受け会員となり、マークが無いなら、ということでデザインしたと伝えられています。そのマークについて興味深い経緯が亀倉氏の作品集の解説欄に載せられています。

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作品No.173 日本インダストリアルデザイナー協会 シンボルマーク1953

協会は、このマークを作る1年位前に設立されたのでないだろうか。私は勝見 勝さんなど2,3人の推薦で会員にさせられた。会員になったところでマークを作らせられた。デザイナーのdを形象化した。私はこのマークはなつかしいし、又単純でしかもどっしりと落着いていて好きだ。マークを作った翌年、私はやっぱりグラッフィックが本業だからという理由で協会をやめた。なんのことはないマークを作る為に入会しただけということになった。しかし面白いのは後年、建築家のワルター・グロピウスが日本に来てこのマークをみて、「なにか農具を型どっているのが大変日本的である」といったのは有名な話である。

「亀倉雄策のデザイン」(初版1983年10月8日/発行所:株式会社六曜社)224頁

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JIDA「d」マークのコンセプトとデザイン草創期のエピソードがこのように語られています。ところで、昨年は、イタリアの化粧品会社davines社のロゴタイプ「d」がJIDAマークと酷似しているということが、複数の会員から事務局宛てに寄せられ、また、2020年東京オリンピックエンブレムデザイン案の類似騒動との関連で、1964年のオリンピックマークやポスターをデザインした亀倉雄策氏のお名前も紙面、誌上を賑わした一年でありました。

そうした背景から、あらためて歴史あるJIDAの「d」マークについて会員の皆さまへの関心喚起を図った次第です。

ところで、発足時の本協会名称は日本インダストリアルデザイナー協会で英文呼称は「Japan Industrial Designers’ Association」でした。デザインではなく、デザイナー(Designers’)のための協会ということで、まさに設立メンバーの理念が表出された協会名となっていました。

その後、2021年時において、発足時とは異なる状況に対応して新しく協会名称をデザイナー協会から、デザイン協会に名称変更する運びになりました。
ですが、設立当初の意志を引き継ぎ、これからも会員の皆さまにはインダストリアルデザインの現在、未来に関心を持っていただきたいと念じております。

JIDA職能委員会担当理事 上田幸和
職能委員会 委員長 堀越敏晴
調査・文:職能委員会委員 内野雅子(弁理士)
(この文は、2015年、職能委員会でのロゴデータについての調査時に書かれたものに一部加筆した物です)



2021年 追記

広報委員会

1983年発行のJIDA編集による「精緻の構造」に掲載されている勝見勝氏の文章によると、JIDA発足の頃、新しいデザイン団体としてのJIDAのために勝見氏がロゴタイプの必要を訴え、それに賛同した剣持勇氏が、亀倉雄策氏に依頼する提案をした経緯が書かれています。その後、亀倉氏が実際にロゴマークを制作したことは、上記の文章に書かれています。

2021年のJIDA協会名変更に当たって、協会名の記述も変更する必要があるため、JIDAのロゴマークについての検証を実施する必要が生じました。それまでの使用状況、上記のような各委員会での調査結果などに基づいて検討を重ねました。その上で、JAGDAの理事長でもある、佐藤卓氏に、見直しをお願い致しました。

ここに書かれたように、JIDA発足時から多くの方々によって引き継がれてきたマークに対して、佐藤氏は、非常に深い理解力と見識をもって、亀倉氏の指定した作図法に基づいて、より精密にデジタル化を行い、さらに、そのマークに相応しいJIDAのロゴタイプを制作していただきました。

協会名変更とともに、未来に向けて引き継がれていくことを祈念致します。

 

更新日:2021.04.01 (木) 02:04 - (JST)]